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 Asset Management 資産運用  産業・業種レポート 長いトンネルの先にあるもの

 

  長いトンネルの先にあるもの (3)

 

<ITS(Intelligent Transport System)>

このテーマは未来技術の発展とそこから派生してくる新製品など、つぎからつぎへと連想を掻き立てるのに事欠かない。 今回は、「車と道路が通信を開始」するようになる事から、車側に起こると考えられる変化を連想して見たい。

 

まず、通信機器の搭載は当たり前であるが、これを通して車に入力された情報を処理する情報機器、そしてこれらを結びつける車内配線、所謂制御系と情報系車内LAN構築の必要性が出てくる。 情報の伝送速度(ビット/秒)の増加とともに、現在主流である電線(ワイヤーハーネス)が、コストと重量そして電磁雑音の制約から他の手段へと移行するのは時間の問題である(その前に耐震性と耐久性の問題が解決されなければならないが…)。

 

米国のDelphi Automotive System Corp社の試算によれば、撚り線によるデータ伝送速度が1メガビット/秒を超えてくるとコストが急上昇し、プラスチック光ファイバ(POF)による伝送が一番安くなることが判明している。 因みに情報系に属するCDプレーヤーが1メガ〜2メガビット/秒、DVDがプレーヤでは10メガビット/秒となっている。制御系に属するエンジン・ブレーキシステムが100K〜1メガビット/秒で、現状ではPOFの必要性は低いとされているが、今後ITSの進展とともに安全対策装置としての障害物、路面、車間距離センサー、磁気センサーやドライブ・レコーダーなどの搭載が考えられ、これらが制御系LANに結び付けられることから、車内LANにおけるPOFの重量割合は50%を超えてくるようになると思われる。

 

次にPOFの採用が進むと問題になるのが、今まで自動車メーカー各社がばらばらで行ってきた車内LANインターフェース規格の標準化である。 注目はIEEE1394が採用されるか?という一点にしぼられるが、業界の予想では早くて2005年とされている。 規格統一がIEEE1394で決着すると、家庭向けに開発した電子機器をそのまま車内に持ち込んで使用することが可能になり、プレステやパソコンゲームはおろかMOMO(SOHOをもじってMoving Office Mobil Officeと命名)が可能となる。

 

さて、ITS関連事業は今後20年間で累計50〜60兆円の市場が誕生すると言われている。
ここで注目したいのが、パワーICの大手で、特に車載用機器向けではトップメーカーであるサンケン電気(6707)である。 現在、半導体事業が売上の63%を占め、電源機器開発で培ったIC技術を基盤にした半導体事業が、ここ数年の成長を牽引してきた。 消費の低迷で家電や自動車の販売が振るわず、さすがに同事業も今期はマイナス成長となる。 しかし、中長期的には電子化が進む自動車向けは有望市場だ。 その自動車機器向けでトップシェアを有する当社の業績拡大の余地は大きいと思われる。

 

平成11年5月19日 Centerseas Asset Management 調査部:ジョージ・ストック

 

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