| 年金プランの管理・運営コストは80年代を通じて全体的に上昇傾向にあるが、確定給付型年金の管理・運営コスト上昇が著しく、相対的に確定拠出型年金の方が低水準となったことも挙げられる。 毎年のように相次いだ法律改正は、確定給付型年金における提出書類作成や、アクチュアリーなどの専門家を利用するコストを大きく上昇させたということだ(特に、改正法の施行期限の年には大幅なコスト上昇が見られる)。 また、なかでも影響を与えたものとして、確定給付型年金に義務づけられる支払保証機関PBGCへの支払プレミアム(保険料)の上昇は見逃せない(図表4参照)。 当初、支払プレミアムは一律に1ドル(加入員一人当たり年額:以下同じ)であったのが、87年代後半に固定部分の16ドルに加えて、積立て不足のプランに対しては不足水準に応じた最高34ドルの変動プレミアムが導入されている(現在は固定部分19ドルで、変動部分の上限は撤廃されている)。 確定拠出型年金には支払保証制度が存在しないため、これらの支払プレミアムを支払う必要が無い。 つまり、他の管理運営コストが全く同等でも、一人当たり19ドル分はコストが低く抑えられるのである。


さらに、こうした管理・運営コストが高い傾向は加入員規模が小さいところほど著しい。 実際、加入員15人のプランにおける一人当たり管理・運営コストの確定給付型年金と確定拠出年金の差額は227ドルと10年前の45ドルから大幅に増加している。 401(k)プランは、特に中小企業においてその採用が増大している事実は、こうしたことを背景にしていると考えられよう。
なお、加入員規模が大きいところでは、確定給付型年金と確定拠出型年金のコスト差額は14ドル程度とそれほど大きくはない。 但し、401(k)プランでは資産運用、資産管理の他に、レコードキーピングなどのサービスが一括して提供されることが多く、特に近年は業者間の競争激化から一般に管理・運営コストの低下が進行している。 また、こうした業者に支払う管理・運営コストについては、多かれ少なかれ一定部分を従業員が負担することも珍しくない(この場合、従業員勘定から直接差引かれるのが通常)。 加入員規模が大きいところでも、低コストの401(k)プラン導入機会は増大しており、実際に採用に踏み切る企業が少なくないとも捉えられよう。
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