| 401(k)プランのみならず、確定拠出型プランは、その法制上の定義から従業員個人勘定で管理される。 運用リスク等の従業員への転嫁と表裏一体の関係にある運用の自己責任原則という観点から、個人別の持ち分を明確化し、それを個人勘定毎に管理するのは当然の仕組みといえるが、これは基本的に退職給付(年金、退職金)を給与の後払いと位置づけて、その権利発生分を確定することに他ならない。 我が国の退職給付は一般に、退職時に論功行賞的な発想に基づいて給付されるが、これを一定部分ではあれ、既に従業員個人のものとして捉えて当該部分を個人勘定に帰属させる訳である。 これに対して、確定給付型プランでは、従業員全体(受給者を含む)で年金資産が管理されており、従業員の当該時点での帰属分が明らかでない。 「企業で管理される確定給付型プランでは、約束された年金を果たして受け取れるか分からない」と危惧する従業員は少なくないといわれ、過去における確定給付型プランの破綻やアセット・リバージョンの横行が、従業員の確定拠出型プランに対する選好を相対的に高めている可能性がある(勿論、米国ではERISAにより受給権が保護されており、且つ確定給付型プランにはPBGCという給付保証機関も存在することには留意が必要である)。
401(k)プランでは、従業員自らがプランへ拠出することを選択した従業員掛金(選択掛金)は従業員個人勘定に即時に帰属する他、企業が拠出する無条件の掛金(非選択掛金)、奨励金として拠出掛金(マッチング掛金)もERISAの受給権付与基準に基づいて個人勘定に帰属することになる(図表1参照)。 通常、複数の投資オプション(口座)が設けられており、それら個々のオプションに対して拠出する割合が個人ベースで決定される。 ある年金コンサルタント会社の調査によれば、提供投資オプションは95年平均で、従業員掛金(選択掛金・任意掛金)の対象が5.39、雇用主掛金(非選択掛金・マッチング掛金)の対象が3.79と報告されている(図表2参照)。従業員掛金の平均提供数の方が多いのは、雇用主掛金では、全期間あるいは一定期間は自社株オプションの選択しか認めていない企業がある(中には雇用主掛金を拠出しない企業もある)などによる。


なお、401(k)プランでは、個人勘定の資産を担保にローン利用が認められている場合が多い(ローンの上限は$50,000か受給権付与済み資産の50%のどちらか低い方)。 実際、調査対象の8割が何らかのローンを認めているとの調査報告がある(図表3参照)。 ローン金利は、プライム・レート〜プライム・レート+1%と、通常個人が借り入れるよりも有利な場合がほとんどである。 使途については住宅資金(住宅ローン)の利用が一般的であるが、消費に利用(フリー・ローン)することを認めていることも少なくない。 中には加入員の大半がローンを利用しているプランもあると報告されており(図表4参照)、こうしたローンの取扱いが認められている点もプラン資産=自己資産という個人勘定に対する選好を一層高めていると考えられる。


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