| 確定拠出型企業年金プランの従業員掛金に対する内国歳入法の取り扱いは、プラン形態によって若干異なるものの(図表9参照)、課税後所得から拠出及び受給時に課税というのが原則である。 最大の特徴は、積立資産の運用収益に対する課税が受給時まで繰延べられる点にある。 投資に関わるインカム・ゲイン、キャピタル・ゲインとも獲得時点で課税されることはなく、複利運用という有利な取り扱いが認められていることになる。

一方、401(k)プランについては、伝統的な確定拠出型プランに対する課税措置に比して、従業員にとってより有利な取り扱いが認められている。 税引き前ベースでの拠出が可能、つまり選択掛金分が所得にカウントされないのである。 企業が拠出するマッチング掛金についても同様で、所謂「所得控除」が認められていることになる。 結果的にプラン加入が実質的に低コストで認められているといえ、図表10の例のように加入コストのおよそ2倍近い残高の個人勘定への加入が可能となる(401(k)プラン加入時の個人勘定価値/401(k)プラン加入のコスト)。

加えて、401(k)プランでも他の確定拠出型プランと同様に、積立金の運用収益に対する課税は受給時まで繰り延べられる。 複利運用が可能な上、一般に退職後の所得は現役時代よりも低いため(つまり、税率が低い可能性あり)課税優遇となる。 また、401(k)プランでは、他の企業年金プランと同様に受給時の「5ヶ年均等分割課税」が認められてきた。 これは、一時金での受給を受ける場合、一度に限ってあたかも5年間に亘って5分の1ずつ受給したと見做すという取扱いである。 97年以降、年金形態での受給を阻害しているということで、この分割課税措置は撤廃されたが、他方で非課税で移管が認められているロール・オーバーIRAにおける受給開始要件(遅くとも70.5歳までに受給開始が必要)も撤廃されている。意識的に受給しなければ、課税は死亡時まで繰延べ可能になったといえる。
なお、401(k)プランでは、選択掛金以外にも課税後所得からの掛金拠出(任意掛金)が認められている。 他の確定拠出型プランへの全ての掛金(雇用主掛金も含む)と併せて年間30,000ドルか年間所得の25%のどちらか低い方までが上限であるが、これら掛金の運用収益も受給時までの繰り延べが可能である
。 当然に、高額所得者とって他の貯蓄よりも有利な手段となる訳で、「過度に高額所得者を優遇している」という批判が少なくない。 また、自ら決定する選択掛金、それに比例して拠出されるマッチング掛金についても高額所得者ほど多額となり易い面も否定できない。 実際、401(k)プランへの加入状況からは、高額所得者ほど提供率が高く、且つ加入率も高いことが窺える(図表11参照)。

戻る 続き  |