SmartFinance.net
ホーム / 預貯金と口座取引 / 投資信託 / 株式投資 / 債券投資 / 保険 / ローンの借入れ / 金融用語 / 金融市場
企業の資金調達貯蓄と投資の基礎知識 / 資産運用 / インターネット・バンキング / インターネット・トレーディング
就職・転職と人材募集 / デジタルマネーとカード / 先物・オプション市場 / 為替とデリバティブ リンク集


 Asset Management 資産運用  401(k)情報 米国における401(k)プランと我が国への導入について 我が国への導入に不可欠な視点 (3)

 

 (3) 制度的な対応に必要不可欠な視点

 以上の基本認識の上に立って、前述の米国における401(k)プラン発達に係わる最大要因アンケート結果の意味するところを考慮しつつ、我が国に確定拠出型プランを導入するに当たっての必要不可欠な視点を再確認すると以下の通りとなる。

 

A)個人勘定貯蓄に関する税制の転換


 資産運用リスクを従業員に転嫁する、つまり自助努力の色彩が強い確定拠出型プランでは、いうまでもなく個人勘定での管理が基本的な前提となる。 米国のターゲット・ベネフィット・プランのように全体で積立金の管理する方法も考えられるが、従業員個人の勘定への帰属分が明確にされる点が重要なのは変りない。

 こうした場合、積立金運用の収益に対する課税繰延措置や従業員自身が拠出する掛金の所得控除、企業が拠出する掛金の損金算入の取扱いなどをどう考えるかが重要となる。 勿論、無制限に課税優遇措置を設ける必要はないが、基本的に自助努力型の退職後所得保障時代に相応しい税制、つまり個人貯蓄による退職後所得保障政策と整合的な税制が不可欠となろう。

 具体的には、所得税に関して運用収益の課税繰延(給付、引出時に課税)を原則とする税制へ転換し、掛金の所得控除や損金算入に制限を設けるなどの措置はその上で別途考える、とすることが重要である。 その際の税制優遇措置の制限等は自助努力の政策的な位置付けを明確にして行うことが望ましい。 なお、既存の企業年金における税制優遇措置との調整は、税制の公平性の観点から重要なのは言うまでもない。

 

B)完全なポータビリティの確保


 今後の産業構造変化の進展に伴って当然予想されることに、労働・雇用環境の変化がある。 簡単に言えば、人事・賃金体系が伝統的な終身雇用・年功序列を前提としたものから業績・能力主義を中心に据えたものへの転換を余儀なくされるということだ。 当然に転職をはじめとして雇用の流動性が高まることが不可避となり、こうした時代に相応しい制度の構築が重要となる。 つまり、転職時等に従業員個人の年金(退職金)原資を税制上の不利益を被ること無しに持ち運べる、所謂ポータビリティの確保が不可欠となる。

 米国では、確定拠出型プランのメリット(ポータビリティ)を十分に活かすために、IRA(個人退職勘定)の存在が極めて重要となっているのは従前指摘してきた通りである。 401(k)プランなどの導入は、企業年金だけを改革しても十分に意味のあるものとはいえず、税制優遇措置を付与した個人年金の創設を同時に図る必要がある。特に今後の社会経済状況(ベンチャー・ビジネスの普及・促進、労働人口の減少を補う女性・高齢者の就業など)を考えれば、自営業者や配偶者を企業年金加入者と同じ土俵で捉える必要性は一層明らかとなろう。 その意味では、国民年金基金や財形貯蓄制度、さらにいえば個人年金保険や所謂マル優などとの調整を図る必要は当然に生じよう。

 

C)多様な資産運用手段の提供と投資教育


 資産運用リスクが従業員に転嫁される、つまり自己責任原則に基づく確定拠出型プランでは、大前提として責任を負う従業員に多様な資産運用手段の選択肢が提供される必要がある。 望ましい選択肢の数などは別途、議論する余地があるが、基本的には異なるリスク=リターン特性の運用手段が複数提供される必要がある。 米国のERISAにおける確定拠出型プランに係わる受託者責任ガイドラインは、ひとつの参考として指摘できよう。

 また、確定拠出型プランでは、個人自らが将来的に十分な生活の原資を確保する必要があるため、リスク=リターンの関係や長期投資に適した投資に関する基本的なメカニズムを啓蒙普及させることが欠かせない。 特に、確定給付型プラン確定拠出型プラン(あるいは論功行賞的な退職一時金→賃金の前払い制度)という流れの中では、基本的に企業が負担する掛金額は全体でみて削減されることが不可避であろう。 その意味でも、相対的に少ない原資を運用して、如何に将来の所得保障を十分なものとするかという視点から、適切な投資手法とは何かを理解させることが極めて重要となろう。

 

D)情報開示などその他のインフラ整備


 その他確定拠出型プラン導入に当たって重要な点としては、情報開示が挙げられる。 これは、従業員が自助努力型の所得保障への転換を受容する場合にも必要となるし、実際に有効なプラン管理・運用を行っていく際にも重要となる。 前者は企業財務や既存企業年金に関する適正且つ正確な情報開示、後者は資産運用手段における運用データなどの情報開示を意味する。 具体的には、企業会計上の企業年金、退職一時金の状況や企業年金における財政状態などの情報開示、運用機関からの年金運用ファンド内容の開示などが制度的に整備される必要があろう。

 また、現在厚生年金基金の分野で論議が進行中の「受託者責任」概念の明確化や実効をあげるための措置を確定拠出型年金に関して講じることも忘れてはならない。 「受託者責任」を中心とした年金運営は、先の従業員が適切な投資を行うという視点からも有効であろうし、上述の情報開示との関連性からも不可欠と思われるためである。 なお、全体的に見て一部で取り出さされはじめた統一的な企業年金法の制定に絡めてこうした制度的な担保を行うことも非常に有効且つ現実的な方法として指摘できよう。

 

 戻る 続き 

 

 

HOME BACK

ホーム | コンタクト | 広告掲載について  | 免責事項 | 協会について

 

 

Copyright © 2002, CMD Co.,Ltd. All rights reserved.