| ◇ |
導入期待が大きく高まっている401(k)プランについて、米国におけるその発達要因や導入の効果について分析を試みる。 本稿では、401(k)プランにおける資産運用で最も頻繁に利用されているミューチュアル・ファンド(米国の投資信託)との関係について述べる。
|
| ◇ |
401(k)プランの資産運用では、90年代に入ってミューチュアル・ファンドの利用が著しく進展している。 これは、ミューチュアル・ファンドが従来から展開していた顧客重視の質の高いサービスが、個人の自己責任に基づく401(k)プランの資産運用にうまく適合したことによる。
|
| ◇ |
従来から展開していた充実したサービスとしては、ファンド・ファミリーと総合口座を中核とした「ワンストップ・ショッピング」機能の提供が最も重要である。 これをベースに(1)資産運用業務、(2)カストディ業務、(3)レコードキーピングや投資情報の提供などその他顧客サービス、の3サービスを包括的に提供する包括(バンドル)サービスを401(k)プラン向けに転用したのがミューチュアル・ファンド利用の進展に繋がったためである。
|
| ◇ |
401(k)プランを提供している企業は、受託者責任を果たすべく加入員に対して<1>自社株ファンドを除く最低3つ以上の投資オプションを提供する、<2>最低四半期に一度は投資オプションの乗換える機会を提供する、<3>適切な投資が行えるように適切な情報を提供する、という労働省の404(c)ガイドラインを満たすのが通常である。 このガイドラインは92年に発布されているが、この要求にも従来からのミューチュアル・ファンドのサービス機能を提供することで基本的に解決することができる。 90年代に入ってミューチュアル・ファンド利用が進展した背景にはこうした事情も大きく作用していると思われる。
|
| ◇ |
その他、充実した内容のファンド情報の開示が行われ、精緻なパフォーマンス評価情報が容易に入手できるなどの外部環境もミューチュアル・ファンド利用をスムーズにしてきたことも否めない。 個人顧客を重視した質の高いサービスの普及と認知が如何に重要であるかを痛感させられる。わが国の投資信託に対しても様々なことを示唆しているといえよう。 |