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著者 : 間瀬 博行
リスクとリターンが同じ場合では、確率的には必ず投資結果はプラスもマイナスも生まれません。ただ、非常に短期間で少ない標本を集めたケースでは、大きくプラスになったり、大きくマイナスになったりするケースも生まれてきます。
それは、ちょうどサイコロ遊びにに似ていて、サイコロはどの目が出るのも同じ確率なのですが、少ない回数しかサイコロを振らなかったときには、時々同じ目が連続して出たりするようなものです。そして、これと同じような現象が株式市場でもよくおきています。
そして、このサイコロの例のように投資を継続していくことを考えると、何とかしてこのリスクとリターンの関係を壊さないことには、長い人生の間では結局投資からなにも得られないまま終わってしまう確率が高くなってしまいます。
そこで今回、今週のウィークリーコメントで、資産運用の観点から株式投資をどう位置付けていったらよいのかという分散投資について考えた関連で、このリスクとリターンの関係の壊し方について考えてみます。
一般的に投資のリターンは、取ったリスクに比例すると言われています。つまり、多くのリターンを狙うのであれば、その分のリスクを取らなくてはなりませんし、逆に余り多くのリスクが取れなければ大きなリターンも狙えないと考えられています。
しかし、もしこのリスクとリターンの関係に風穴をあける方法があったとしたどうでしょうか。それもリスクを減らしながらも期待するリターンはそのままというパターンでです。
その一つの方法が、投資先を分散させる「分散投資」の考え方です。
ポートフォリオのリターンは、必ずそのポートフォリオを構成するそれぞれの銘柄や資産ごとの合計となりますが、ポートフォリオ全体のリスクは必ずしも各アセットのリスクの合計と等しくならないケースが生まれます。この考え方に基づく考え方が「モダンポートフォリオ理論」と呼ばれるものですが、このリスクとリターンの不均衡さを作り出すことこそ投資の成功の確率を高める重要な要素です。
そして、「複利」の活用もリスクとリターンの不均衡を作り出す要素となります。
金利そのものはリスクとリターンのバランス関係の中にありますが、「金利が生み出す金利」は、なにもの無いところから何かが生まれてきたと言う意味で、まさにリスクをとっていない存在です。しかし、複利の魅力を大きくするためには長期の投資期間が必要です。まさに雪だるまの例がぴったりで、期間が長くなればなる程、一回転で着いてくる雪の量は大きくなっていきす。
そして、かのアインシュタイン博士は、「複利」の発見こそ「今世紀最大の発見」と称しています。
更に、株式投資の世界には「長期投資」という抜け道があります。
これは、株式市場全体は長期的には必ず上昇を続けてきたという過去の統計と人類の成長のモメンタムが根拠になっていますが、ある意味で理論的には証明されていない考え方でもあります。
しかし、株式市場(株式市場が存在しないケースでは富の総体)が長期的に成長しない「有効」な経済モデルは、今のところ太古もしくは森林の奥地の原始的なパラダイスでしか確認されていません。
ここまでくるとある意味「信念」の世界です。ただ、株式市場の中身(もしくは富の中身)が時代によって大きく変化することはあっても、そうしたパラダイスへの回帰は、我々の大部分の存在が吹き飛んでしまうような大きな出来事でもない限り、起こらないのかもしれません。なぜなら、現在の人口を支えるだけのパラダイスの環境は残念ながら現在の地球にはないからです。
(了)
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