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著者 : 間瀬 博行
「分散投資」によって、期待できるリターンはそのままにして、リスクを減らせることが出来るメリットについて考えてきましたが、今回はその方法を身近な例で考えてみましょう。
天候の変化によって、業績に変動が生まれる企業があります。例えば遊園地やリゾートホテル、傘の製造会社、車のチェーン製造会社、人工雪製造機械を作るメーカーの株式が売買できるとします。
通常の天候であればいいのですが、異常気象が発生したときのリスクを考えた時に、こうした銘柄をうまく組み合わせすことで、リスク分散の恩恵を享受することが出来ます。
遊園地株 + 傘の製造メーカー株 (雨の株価への影響を軽減できます)
人工雪製造機械関連株 + 車のチェーン製造株 (雪不足の影響を軽減できます)
上の例では天候に着目しましたが、別の角度からのリスク分散の方法もいろいろと考えられそうです。
ちなみに、株式市場が好調な時は成長性の高い株式が物色されて、逆に株式市場が軟調な展開となると薬品や食品などのディフェンシブ銘柄が物色される傾向があります。そして、この傾向に着目すると、成長株はディフェンシブ銘柄との組み合わせの相性がよいことになります。
この他に、日本の景気が悪い時は、国内の資金がより有利な投資先を探しに海外に動くという傾向を捕まえて、日本国内で投資先を見つけると同時に米国市場へも投資を行うのも一つの手と考えられそうです。
こうして複数の銘柄を使ってリスクを減らしながら行う運用方法の応用に、ヘッジファンドなどが良く使う「ロング・ショート」という投資戦略があります。
「ロング・ショート」とは値動きの相関性の高い2つまたは複数の銘柄を組み合わせて、一部を買い持ちにして、他の一部を売り建てる方法です。
例えば、2つの同じようなコンピュータ関連の会社があって、同じような製品を作っていたとします。この時、一方のA社はイメージ戦略に優れていて、もう一方のB社は広告がうまく作用しなくて営業に苦戦すると予想したとします。
このケースには、A社を買って同時にB社を売り建てる戦略が考えられそうです。うまく予想のようになれば良い訳ですが、そうならなくても、この2社が同じような動きを続ける限り損失は生まれないことになります。このような投資戦略を「ロング・ショート」と言います。
いずれにしても、この「ロング・ショート」も抱えるリスクを減少させながら期待したリターンをそのままに出来るかということを重視した戦略で、基本の考え方は始めにご紹介した「分散投資」の方法と同じところにあります。
(了)
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