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著者 : 間瀬 博行
投資家の起源は、中世の大航海時代に、帰ってこれるかどうかわからない航海に出資して、その航海船が無事生還して見知らぬ土地から運んでくる香辛料や金銀など財宝などを収益として分配すたところにあります。
出向した船が帰還してくるかどうかはわかりませんし、非常に高いリスクの投資でしたが、投資家は船長の人物を見て、航海長の腕と経歴に惚れ、船員達の意気揚揚とした士気の高さに昂揚されて、投資の判断をしたといいます。
そして投資判断を行って投資が決定する頃には、すっかりその船長のことを好きになって、船員達の無事の帰還を願うまでになり、投資の損得抜きで本気で出航する彼らを応援したといいます。
この中世の航海に限らず、長い歴史の中では、投資はこうした半ば応援的な投資が多かったのですが、株式市場が出来て「投資の形」が売買されるようになって投資から簡単の撤退出来るようになると、そうした投資の根底は見えにくくなっていきました。
とかく値幅取り的な投資の話しが氾濫する現在、こうした投資本来の意味が忘れられがちですが、長期投資家の投資スタンスは、まさにこの航海への投資の姿にあります。
自分が応援出来る投資先を見付けて、出資して応援し、船の無事の帰還を祈る、このような投資へのスタンスこそ、投資家の本来のあるべき姿です。短期の値鞘取りではこうした投資は不可能ですが、長期投資家のスタンスはまさにここにあります。
航海船への投資と同じように、長期投資で本当に大切となることは、投資先企業を自分が心から応援出来るかという点にあります。自分の応援出来る投資先を見付けることはそう難しいことではありません。
投資先のトップの人柄やビジョンに共感出来るか(船長の人物)、その企業に秀でた素質があるか(航海長の腕)、社員にインセンティブが働いているか(船員の士気)の点から考えてみればいいのです。そして、優れた投資家の多くは、こうした人物やインセンティブが働く環境を非常に重視していて、その他の部分は付随的なものと捉えています。
投資とは本来こうした優れた人物や組織への投資であって、企業は応援の対象となるべきものです。「株式」という投資の形が流通するようになったり、企業組織が官僚化していたりで、この部分の確認は後回しになることが多かったのですが、これから株式投資を始めようという方にとっては、株価収益率や時価総額などの言葉を覚える前に、真っ先に確認しておきたい「投資」の基本中の基本です。
(了)
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