デリバティブ=悪者のイメージ少し前までは、デリバティブ金融商品を扱うのは、金融機関で働いている人、事業会社の財務部の人など一部の人に限られていましたが、最近では、一般の消費者でも様々な種類のデリバティブ金融商品が銀行や証券会社の窓口で買えるようになりました。
金融機関が「デリバティブ」金融商品を「ハイテク」金融商品と称して販売しているのは、バブル崩壊以降、有名企業がデリバティブ商品の取引により巨額の損失を出したり、それが原因で倒産しているため、“デリバティブ=悪者”といったイメージをお持ちの方が増えてしまったからではないでしょうか。
デリバティブはその使い方によっては、まさにギャンブルそのものですが、その一方で、保有する金融商品(株、ファンド等)のリスク回避(リスクヘッジ)の手段としても使える、非常に有益な金融商品でもあるのです。
デリバティブの利用目的
デリバティブ取引の目的は大きく二つに分けて、
(1)リスクヘッジ (リスクの回避)
(2)レバレッジ(てこの原理)を効かせてハイリターンを狙う
の二つがあります。
(1)のリスクヘッジに使われるデリバティブの例として、為替、金利、株価オプションが挙げられます。 オプションとは、将来、特定の物(例:A社の株)を特定の量(例:1,000株)で、決められた価格(例:1,000円/株)で売ったり買ったりする権利のことです。 そのオプション自体も、売り買いすることが出来ます。
デリバティブの具体例
(1)のリスクヘッジの具体的な例としてイメージを浮かべやすいデリバティブ商品に、株券(個別株)オプションがあります。
例えば、ちょっと極端な例ですが、貴方がA社の株式(1,000株)を100万円で昨年の冬のボーナスで購入して、現在、A社の株式を1,000株を保有しているとします。 ところが、ある日、A社の大口の取引先であるB社が、突然、倒産してしまったため、それがきっかけでA社も倒産するのではないかという噂が広がり、その噂が原因でA社の株価が急激に下落してしまいました。B社が倒産したため、A社がB社に対して持っていた売掛金が回収できなくなり、A社の資金繰りがその後すぐに行き詰まり、結局、A社も倒産してしまいました。
貴方が、A社の株価が急激に下落している時に運良くA社の株(1,000株)を500万円で全部売れたとしても、500万円の損失です。 もし、運悪く売れなかったとすると、A社の株式は、ほとんど価値の無いものになってしまい、1,000万円まるまる損をしてしまう可能性もあります。
もし、貴方が非常に用心深く、しかも勉強熱心で金融商品をよく勉強していたため、万が一に備えて、A社の株式(1,000株)を850万円で売る権利(プットオプション)を、B社が倒産する以前に、50万円で買っていたとすると、貴方の損失は
(1,000万円=購入額)−(1,000万円−800万円=売却損)−(50万円=オプション料)
= 250万円
となります。
こうして、デリバティブ商品(プットオプション)を購入することにより、保有株式から発生する(かもしれない)損失を最小限に抑えることが出来ます。
このように、デリバティブ商品はその使い方によっては保有する金融商品や資産のリスクをヘッジ(回避)することの出来る有益な金融商品なのです。
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