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第1回:ペイオフ見直しは誰のため? |
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2002/08/26 7月末のペイオフ凍結解除が方針転換されました。ペイオフを予定通り実施すれば、預金者の不安が増幅され、金融システムの不安を招くという懸念から、当座預金の全面保護の方針が新たに打ち出されました。その後の日本経済新聞の報道によれば、金融庁は当座預金の預金保険料を上げて、そのコストは銀行が預金者から定率の口座手数料の形で徴収することを義務付けることを検討中と伝えられている。 なかなか周知徹底しなかったペイオフも、PRの浸透もあって、確かに預金者の不安を招いていたのは事実と思われるが、本当に対策を迫られていた人・企業はどのくらいの数だったのだろうか? 日銀の預金統計の預金者別預金(金額階層別)によれば、2002年3月末に国内銀行に預けられていた預金の総額は、要求払預金(当座・普通等)が約246兆円、定期性預金が約241兆円、外貨預金が約12兆円となっている。これらの預金者別の内訳は、法人が152兆円・23百万口座、個人が313兆円・887百万口座(内定期性預金は法人が47兆円・7百万口座、個人が188兆円・561百万口座)となっていた(預金保険の対象外となっている、外貨預金等を含む)。これを預金金額別でみると、1千万円未満のものは、法人が18兆円・22百万口座、個人が234兆円・881百万口座となっている。同じ銀行に複数の口座(例えば普通と定期)を持っていることが多いので、1千万円未満の口座と言っても必ずしも全部がペイオフ解禁は無関係なものとは言えないが、大多数の個人にとってペイオフ解禁なんで関係ないというのが実態のように思われる。中小企業にとっても、借入先に口座をもたされているケースが多いので、借入が預金よりも少なくない限りは(銀行が破綻しても相殺できるので)ペイオフの解禁はあまり関係なく、本当に心配しなければならないのは、企業の一部と一握りの個人という姿が浮かんでくる。 今のところ口座手数料は「当座預金」だけの話なので(お上の旗振りで徴収を義務付けること自体がおかしいが)、それで済めばまだいいけれど、これが口座手数料を総合口座にまで広げるきっかけになった場合には、経済合理性から考えて、残高の少ない人ほど割合としては高い手数料をとられる可能性が否定できない。おまけに報道によれば、銀行のほうにも新しい種類の預金を導入するためにはかなりのシステム開発費用が必要とあっては、銀行救済とも言えない部分があり、そうなると一部のお金持ちのためだけのペイオフ見直しなのかという見方もできてしまう。 |
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