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第7回:年金不払問題から学ぶ−損切りの極意

2003/05/13
ゆびきたす・こぶとりっじ


国会議員の年金不払問題で福田前官房長官が辞任し、それに続き「・・三兄弟」等と自分の不払いにも気付かず不払いを公表した大臣を揶揄していた民主党の菅(前?)代表も遅ればせながら辞任を表明しました。これら一連の出来事は(三菱のシャフト欠陥隠しも同類ですが)、撤退判断の難しさを雄弁に物語っています。

国会議員の年金の不払が続々と発覚するのは本当に情けないことで、この人達が(不徳を恥じて議員を辞める人はいないようなので)最初にやるべきことは、過去の不払分を延滞利息込みで(任意に)支払えるように議員立法で制度を変更することに尽きると思われますが、今のところそのような動きは聞こえておらず、そのような考えをもつ国会議員が見られないのは大変寂しいものです。

それはさておき、

今回の問題を大雑把に総括すれば、ロスを小さく止めたのは福田さん、傷を大きくしたのは菅さんというのは衆目の一致するところだと思われます。菅さんは、小沢さんの折角のアドバイス(辞めるべきという)がありながら、判断が後手に回ってしまったのに対し、福田さんは当初歯切れの悪さが目だって評価を下げましたが、肝腎なところで菅さんの機先を制し、ダメージを比較的小さく済ませることができました。

不払の露見を投資損失の発生と対比して考えてみましょう。投資損失が大きくなった場合、往々にして考えるのが「駄目かも知れないけれど、もうちょっと回復してから清算(損切り)を考えよう」ということです。期待通りに少し回復した時に考えるのは、「この調子ならもっと好転するかも知れないので、もう少し待ってみよう」という感じでしょうか。年金の不払問題で政治家が考えたのは、(多分)「ばれるかも知れないけど、もしかしたら判らないままで済むかも知れないのでもう少し様子を見よう」。似てると思いませんか?

ディーリング(はっきり言えば投機、この表現を嫌う人も多いのですが、リスクの大きな投資行動は投機と考えたほうがいいと思います)を始めた時(20年も昔の話ですが)、先人に教えられたことは、「損切り」の範囲を決めて必ず守ること、ということでした。「損切り」とは損失を確定することで、作ったポジションで損を出して手仕舞いする時は何ともやるせない気分になったものです。損切りするためにはルールを決めておくことが肝腎で、それがないと判断がずるずると遅れて深みに落ちてゆく危険があります。

不払問題の教訓は、早く決断できれば傷が少ないということです。損切りのポイントは、当該投資に関して自分の許容できる損失の金額です。資産額の何パーセント?それは資産額・将来の生活設計等をもとに自分で考えることで、それが決められないのであればリスクの大きな投資はやめておいた方がいいと思います。我々日本人(日本人とは限らないかも知れませんが)は他の人と違う行動をとると居心地が悪いようで、大勢追随型の投資行動をとる人が多いように見受けられますが、「早い決断」をするためには、他人の行動に追随するのでなく、自分で考えて判断することが必要となります。投機に手を染めるなら、「逃げる時は脱兎のごとく」をお勧めします。

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