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第2回:金利サイクルと生命保険

2002/10/17
極 真太郎


「将来保険料が上がるのは嫌なので、保険料が変わらない保険にして欲しい。」

最近、よくインターネットなどの保険相談サイトなどでよくみかける相談内容である。

確かに、誰でも、将来、本当に保険料が払えなくなり、無保険状態になるのは怖いし、多少、保険金額を下げても、保険料が変わらない商品に切り替えようと思うのは分かる。

しかし、金融商品として保険を見た場合、その選択は本当に正しいのであろうか?

金利の高いとき、また、金利がピークから下げの局面に入りつつあるときには、固定金利型で出来るだけ期間の長い商品“たとえば最近満期を迎えるバブル期の10年満期定額貯金のようなもの”を選択し、逆に低金利の時、また、金利の上昇局面には、変動金利型で流動性の高い商品“例えばMMFのようなもの”を選択し、将来の金利上昇時に備えるのが、投資の世界では基本的なセオリーといわれている。
現在は政府主導の超低金利が長く続いており、先行きも近々の金利上昇は期待できない状況にあるが、なぜか、生命保険という金融商品に限っては、“長期の固定金利商品”が人気である。

金融商品を長期と短期で分ける場合、投資期間1年以上かそれ未満かで判断されるが、生命保険の場合は、ほとんどが最低でも保険期間10年以上の“超”をつけてもいい位の長期金融商品である。仮に30歳の人間が定年まで保険料が変わらない保険に加入するとすれば、投資期間30年の金融商品に投資することになる。

現在も将来もニーズが変わらない医療保障系・生前給付系の商品であれば、現在の働き盛りのうちに保険料を支払ってしまい、老後の終身医療を確保しておきたいというニーズもあるであろう。
しかし、一般に右肩下がりで逓減し、場合によっては不要になる万一時の死亡保障を考える場合、固定された保険金額(単純逓減型の保険を含めて)に対し、固定された保険料を支払っていくことが本当にライフサイクルあっていると言えるだろうか?
保険期間の全期に渡り保険料を固定するということは、保険数理的にみると、期間の経過により逓増する死亡保険金支払リスクに比例して本来上昇カーブを描くはずの保険料を、平準化することになる。よって、保険期間の前半期間(実際には2/3位の期間)は、死亡保険金額に対して(後半期間の保険金支払準備のための)余分な保険料を支払っていくことになってしまう。

今の民間で加入されている大多数の保険は、保険期間10年程度の掛け捨ての定期保険特約にわずかな終身保険などがくっついた商品(いわゆる“更新型”)である。それに払込満了時までは、“更新時の健康状態にかかわらず無条件で今の保障内容を維持できる”というオプションが付加されている。
確かに、更新時に、現在の予定利率が将来ずっと変わらず、同じ保障内容で更新し続けるのであれば、当然、更新のたびに保険料は上がるし、トータルの支払い保険料も保険期間が変わらない全期型の商品と比較して多くなる。
しかし、逆に考えれば、今、この商品に加入しているということは、更新までの残期間、加入時の(若い)年齢で計算された保険料で保障が確保され、しかも、将来、市場金利にあわせて切り替えられるオプションも確保した状態にあるともいえる。

保険商品は、自由化によりどんどん進化し、面白い商品が誕生している。定期的な保険の見直しは、ライフスタイルの変化に合わせて当然行わなければならないし、良いオプションが誕生すれば、保険料が許す範囲で検討してよいだろう。
ただし、死亡保障だけに限定して考えた場合、現在の保障内容が死亡保障ニーズを満たしているのであれば、見直しは、更新時(または金利上昇時)に、必要な保険期間分の必要な保険金額を買うだけで十分ではないだろうか?

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