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第2回:投資とはなに?

2002/09/02
齋藤 健


そもそも投資とは何でしょうか? 多分皆さんの多くが株式投資をすぐに連想されるでしょうが、それがそもそも問題なのです。 株式投資はもちろん投資ですが、投資の中のほんの一部に過ぎず、皆さんが投資だとは思っていない投資が世の中にはたくさんあります。

私は、投資というのは『将来の何かの利益を期待して、それについてしっかりした意見を持った上で、何がしかの価値あるものを最初に提供する事』ということだと考えています。  つまり『何かをすれば何かが帰ってくる』ということで、その帰ってきた価値を“リターン”といい、また『何かをすること』を投資すなわち“インベストメント“といっています。

ですから投資とはお金であっても労働であってもいいわけで、また帰ってきた価値というのもお金であっても、幸せな気持ちになることであってもいいわけです。  ただ現在の世界においては「愛もお金で買える」というのが真実かどうかは別の機会に議論することにしても、ほとんどの価値と投資がお金で換算することができる訳ですから、ほとんどの方が投資とはお金を出して、その出したお金より多くのお金が返ってくる事だと考えています。

そういう意味では、例えば親と子供の関係において子供に対する扶養・監督義務とは別に、子供に高い教育を受けさせ、その結果として子供が幸せになると期待することも、銀行に預金をして利息を付けて返してもらうということと同様に投資をしていることになります。

このことを少し補足しますと、我々は投資という言葉に一定のイメージ(あるいは誤解)を抱いています。たとえば子供に対する投資で言えば、「子供の面倒を見るのはあたりまえなのだから投資などと言うのはおかしい」という意見もあるかと思います。 これは投資に対するリターンがお金だと思い込んでいるために子供を利用して親が金儲けをするというふうに連想することが原因です。 

また銀行に預金するのは箪笥預金では泥棒に盗まれるから安全に預かってもらうためで、金利は高いほうがいいが別に投資だとは感じていないという人も多いようですが、実際には銀行が預金として集めたお金を金利と銀行員の給料などのコスト以上で運用できないと元本も帰ってこないわけで、「この銀行なら私よりも上手にお金を運用してくれるだろう」と判断した上での投資であるはずです。  なかには実際には元本は帰ってくるのだから現実は違う(損をすることはないという意味で)と考えもあるかもしれませんが、それは単なる勘違いです。  なぜならば実際には我々が払った税金か国の借金の形で我々あるいは将来の日本人の借金で足らない元本を補填して返済されているケースが数多くあり、我々は一部の銀行については、預金のかたちで運用を任せた結果として損をしている訳です。 

投資信託や株で元本割れが起きた時の投資家の判断はどうでしょう、多分「今度はこの人あるいはこの会社には任せない」ということだと思います。  しかし銀行についてはどうでしょうか。  私の友人のひとりは、最近大規模なシステム障害を起こした銀行にあった預金残高をすべて引き出しました。 その友人の意見は「顧客を大切にしない金融機関には何らかのかたちで自分の意見を言わなくてはいけない、もし多くの人が同じ行動に出れば少なくとも経営者に顧客(投資家)を省みることを考えさせることができる」ということでした。

また株式投資はどうでしょうか?  最近デー・トレーダーという言葉を聞きますがこれは昔風に言えば「日計り」ということで証券会社の株式部門とか一部の相場のプロが自己売買で行っていたものを今風に言い直した言葉です。

最近一般の投資家もこれが行えるようになったのは「インターネット・トレード」が売買の5割をも占めるようになり手数料も圧倒的に安くなったためです。  皆さんはこれこそ投資だと思われるかも知れませんが、私にとっては、新聞やインターネットあるいは営業員を通じて知りえた情報で売買を繰り返すことと、宝くじや競馬を熱心にやることをはっきり区別することは出来ません。  これは少なくとも投資からはかなりかけ離れた行為だと言えるでしょう。

このように投機を投資だと考えたり、本来投資であるものを投資ではないと考えているために、投資にたいして不正確なイメージを持ったり、自己責任を感じていなかったりする弊害がでているのではないでしょうか。

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