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 Q&Aコーナー

[1] NECトラスト優先証券を2年前に購入しました。
回答日:2003年12月02日  
掲載日:2003年12月09日  
●質問 

 2年前に、大手証券会社で、NECトラストを購入しました。
 最近になって、投資信託とわかりました。

 当初は、1口50万円でした。
 現在は、46万円ぐらいです。

 分配金は、年に2回で、10回目まで固定式で2%あります。
 11回目以降は、、年率6ヶ月円LIBOR+2.0%です。
 償還日は、設定されていません。

 そこで、質問です。

→このまま、持っていたほうがいいのでしょうか?

→このような、新しい債券の動きは、どうなるのでしょうか?
 10回目の支払い以降に、NECの裁量によって、償還される可能性は、あるのでしょうか?

→NECトラストの様な債券は、他社には、どんなものがありますか?

→NECのどういう動きに注意すればいいでしょうか?値が元に戻る可能性は?

 専門家の意見をどうぞ、お聞かせください。

●回答 

新規上場銘柄概要の抜粋

銘柄名 NECトラスト優先証券(以下「優先証券」)

種類 外国投資信託の受益証券

発行価格 1口あたり50万円

発行日 平成13年12月18日

予定分配金 10回目まで(5年間)2.5%、それ以降6ヶ月円ライボー+2%

償還日 設定なし(但し、平成18年12月18日以降の分配金支払日に全額償還されることがある。

仕組み NECビジネストラスト(以下「NECBT」)は、日本電気(以下「NEC」)の発行する2021年満期無担保社債(劣後特約付)(以下「NEC劣後債」)を保有。(注1)
 NECBTがNEC劣後債を保有し、かつ当該劣後債にかかる利息及び償還金の支払を受けている限り、NECが優先証券保有者に対する分配金及び償還金の支払を保証する。(注2)
 NECによる上記の保証債務の履行は、NECが倒産した場合は、すべての一般債権者に対する支払に対して劣後し、一般債権者に対する支払が全部支払われた後に行なわれる。また、NECの残余財産を分配する場合は、優先受益権保有者に対する保証債務の履行は、残余財産優先株式及びこれと同順位となる他の債務と同順位で履行され、かつこれら以外のNECの株主に対する支払に優先して履行される。
注1) 劣後特約付というのは、期日の到来した一般の債権者(普通社債の保有者・買掛金の支払先・通常の借り入れの借入先など)に対する支払が済まされた場合にのみ支払われるという条件のついたもの。
注2) つまり、NECが発行している劣後債の利払・償還が行なわれる場合にのみ有効な劣後特約付きの保証(それほど意味があるとは思われない)。しかも、何らかの理由でNECBTがそれを手放した場合には無効。

ポイント 実質的には期間20年のNECの劣後特約付社債を保有しているのと同じリスク。(因みに我が国で、劣後債が個人向けとして直接売り出されたケースを、回答者は知りません。)この資料だけでは、NECBTがどのような資産を持ち、それをどのように管理しているのか判らない。(恐らく、劣後債だけを保有する特別目的法人で、資産は信託されていると想像されるが)詳細は、投資家向けの説明書に記載されていたはず。単純に考えれば、期間20年の劣後債を直接保有したほうが、経済的には有利なはず。(信託報酬とか発行費用とか余計にかかっている)同時期に発行された日本企業の長期債としては、2002年1月にJR東海(当時の格付けではNECよりも上位)が劣後でない普通社債を2.39%で発行している(但し、個人向けではないので、1億円未満では買えない)。

→このまま、持っていたほうがいいのでしょうか?
 本協会の方針としては、個別の投資判断について、言及することは差し控えております。但し、優先受益権を購入した当時、商品自体の内容を十分理解した上で購入されたのであれば、NECの信用格付けは、当時MoodysがBaa1(但し、格下げ方向で見直し中)R&IがA+だったので、現在のBaa2とA+と同じようなレベルでしたが、業績を考えると、当時の下向きに対し今は上向きとなっており、敢えて売却する理由はないように見受けられます。一方、内容を今になって理解し、NECの信用状態に不安を感じるのであれば、十分な説明を受けなかったとして証券業協会に相談するのも一つの方法と思われます。

→このような、新しい債券の動きは、どうなるのでしょうか?
 10回目の支払い以降に、NECの裁量によって、償還される可能性は、あるのでしょうか?2006年12月以降から、金利条件が変わり、NECの通常の資金調達コストに比べてかなり高めに設定されているので、現在のNECの財務状態が悪化しない限りは、そこで償還される可能性は十分考えられます。但し、現在この劣後債はNECの自己資本としてカウントされていると判断されるので、自己資本の充実が思惑通りに進まない場合にはそうならないことも考えられます。

→NECトラストの様な債券は、他社には、どんなものがありますか?
 一般の事業会社の場合にはあまり例がないと思われます。但し、金融機関は自己資本充実の為の制度的な要請があるので、多く発行されています。

→NECのどういう動きに注意すればいいでしょうか?
 値が元に戻る可能性は?

NECの財務状況に注意を払う必要があります。一般的に入手可能な客観的な情報としては、信用格付があり、Moodys社、S&P社、R&I社、JCR社等のホームページに一覧表が掲載されています。馴染みの深い他の会社の信用格付けと比較すると参考になると思われます。因みに、一般的には劣後債の信用格付けは優先債務の格付けよりも1ランク下と言われているようです。

本来流動性の非常に低い商品(つまり、次の買い手を捜すのに時間がかかる可能性が高いので、売値と買値の差が大きい)なので、急いで換金しようとしたらかなり不利な条件を甘受しなければならない可能性があります。

回答者:ゆびきたす・ことぶりっじ
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